【2026/9/25】📦フードデリバリーは本当に「儲からない」?赤字の裏側とこれからの業界

「Uber Eatsや出前館って、あれだけ街中で見かけるのに本当に儲かっているの?」
2026年に入ってからもWoltが日本から撤退し、menuも9月末でサービス終了予定。さらに出前館は大きな営業赤字を見込んでいます。これだけ見ると「フードデリバリー業界って厳しいのでは?」と思ってしまいますよね。ところが一方では、Uber Eatsは日本で3年連続黒字を達成し、Rocket Nowは急速にサービスエリアを拡大しています。
つまり、フードデリバリーそのものが儲からないというより、「儲かる仕組みを作れる会社」と「作れない会社」の差が大きくなっているように見えます。今回は各社の数字を見ながら、これから日本のフードデリバリーがどう変わっていくのか、配達員目線も交えて考えてみます。


📊 市場は縮小している?まず数字を見てみよう

最初に押さえておきたいのは、フードデリバリー市場自体が消えているわけではないということです。

サカーナ・ジャパンの調査によると、2025年の国内デリバリー市場規模は8,240億円の見込み。前年比では2%増で、コロナ前の2019年と比較すると約97%大きい水準です。

2025年デリバリー市場
8,240億円

前年比2%増。コロナ前と比べると依然としてかなり大きな市場です。

出前館 FY2026予想
▲79億円

売上高392億円に対して営業赤字79億円の修正予想。

Uber Eats 日本
3年連続黒字

2023~2025年の3年間で黒字を達成しています。

つまり今のフードデリバリーは、需要がなくなったというよりも、大きな市場をどう利益につなげるかという段階に入っているんですね。

💸 なぜフードデリバリーは赤字になりやすいのか?

理由は意外とシンプルです。
デジタルサービスのように見えて、実際にはかなり「人と物流」に依存するビジネスだからです。

🛵
配送コスト

注文が入るたびに誰かが店舗へ向かい、商品を受け取り、利用者まで運ぶ必要があります。

🎫
集客コスト

クーポン、送料無料、広告など、注文を増やすための販促にもかなりのお金が必要です。

📍
注文密度

注文が広い地域に点在すると配達員の移動距離が増え、1件あたりの効率が落ちます。

「送料無料」と表示されていても、もちろん配達コストそのものが消えているわけではありません。
ユーザー、加盟店、プラットフォームのどこがその費用を負担するのか。そのバランスが非常に難しいビジネスなんです。

🔴 出前館は売上392億円予想でも営業赤字79億円

出前館 2026年8月期 修正ガイダンス
売上高 392億円
営業利益 ▲79億円

前年度の営業損失49億円から、赤字幅がさらに広がる予想です。

ただし会社側は現在、市場拡大を優先しており、「お店価格」や大型キャンペーンなど成長投資を積極的に行っています。

数字だけ見るとかなり厳しく感じます。ただ、出前館の資料を見ると少し違う面もあります。
2026年5月には限界利益率が18%まで回復。第3四半期の営業損失32億円に対し、第4四半期は15億円の損失まで改善する見通しも示しています。

つまり現在は、すぐ黒字にするというより「注文を増やしながら、どこまで配送効率を上げられるか」を試している段階とも考えられます。

🟢 Uber Eatsは日本で3年連続黒字

Uber Eatsは何が違う?

Uber Eatsは日本で2023年、2024年、2025年と3年連続で黒字を達成。

さらに2026年1月には過去最高売上を記録したと発表しており、全国約12万の加盟店、約10万人の配達パートナーという巨大なネットワークを持っています。

ここで重要になってくるのが「注文密度」です。

同じ街に加盟店、注文者、配達員が多ければ、店舗まで何キロも移動する必要がありません。ダブル配達なども組みやすくなり、1人の配達員が1時間に運べる件数も増えます。フードデリバリーは「全国で何件注文されたか」以上に、狭いエリアへどれだけ注文を集中させられるかが収益を左右するビジネスなのかもしれません。

🚪 Wolt・menu撤退で業界は終わる?

2026年は業界再編も一気に進みました。

🚪
Wolt

2026年3月4日で日本でのサービスを終了。

📱
menu

2026年9月30日をもってサービス終了予定。

🚀
Rocket Now

800万DLを突破し、46都道府県・420都市へ拡大。

ここだけを見ると「撤退が相次いでいる」と感じますが、その一方で新しいプレイヤーは急速に拡大しています。
なので僕は、これは市場の終わりというより「プレイヤーの選別」に近いと思っています。

💡 生き残るために必要なのは規模だけではない

加盟店が多くても、注文が少なければ配達員は走りません。ユーザーが多くても、配達員が足りなければ配送時間が延びます。加盟店・注文者・配達員の3者を同じエリアへ高密度で集められるサービスほど、配送効率を高めやすくなります。

🔮 今後①「料理を届ける会社」ではなくなる

今後の予想ですが、フードデリバリー会社という呼び方自体が少しずつ合わなくなっていくといます。

Uber Eatsではすでに、スーパーやドラッグストアで配達員が商品を選んで会計まで行う「ピック・パック・ペイ」の導入店舗が3,000店舗を突破しています。さらにUber DirectやCourierでは、Uber Eatsの配送ネットワークを料理以外の荷物にも活用しています。

01

フード以外の配送が増える

スーパー、ドラッグストア、コンビニ、EC商品、企業間配送など「今すぐ届けたいもの」が対象になります。

02

配送網そのものが商品になる

アプリ内の注文だけでなく、企業の自社ECや店舗からの配送にも既存の配達ネットワークを貸し出す形が増えそうです。

03

1人の配達員が運ぶ商品の幅が広がる

昼は料理、午後は日用品、夜は飲食店というように、時間帯ごとの需要差を埋めやすくなります。

料理だけだとランチやディナーへ注文が集中します。しかし日用品や荷物まで同じ配送網に乗れば、アイドルタイムにも仕事を作れる可能性があります。

「配達員を増やす」のではなく、「今いる配達員が走っている時間の価値を上げる」。

これが今後の黒字化ではかなり重要になりそうです。

🤖 今後② ロボットは「配達員を消す」よりコスト調整役へ

配送コストを下げるもう一つの方法が自動化です。
出前館は現在、東京都渋谷区笹塚エリアで自律走行ロボットを使ったフードデリバリーの実証を行っています。ただ、近い将来すべての注文がロボットになるとは考えにくいでしょう。

🤖 こんな使い分けになるかも?

短距離・低速・ルートが単純な注文はロボット。雨天、長距離、坂道、複雑なマンション、ピークタイムなどは人間の配達員――というように、案件ごとに最も効率的な配送手段を選ぶ形です。

つまりロボットは「人間を全部置き換える存在」というより、配送原価を下げるための選択肢の一つになっていく可能性があります。

💰 今後③ 値下げ競争だけでは続かない

2026年のフードデリバリーでは、「お店と同じ価格」「送料無料」「サービス料0円」など、とにかく安さを訴える施策が目立ちます。ユーザーとしてはもちろん嬉しいですよね。

ただ、配達には必ずコストがかかります。そのため長期的には、単純な値下げだけではなく、サブスク、広告、法人配送、小売配送など別の場所から利益を作れる企業ほど有利になっていくのではないでしょうか。

🛵 配達員の仕事はどう変わる?

配達員目線で今後チェックしたいこと
  • 料理以外の配送案件がどこまで増えるか
  • アイドルタイムでも案件がつながるようになるか
  • ダブル・トリプル配送の効率が上がるか
  • 1件単価ではなく1時間あたりの売上がどう変わるか
  • ロボット配送と人間の配達がどう棲み分けられるか

個人的には「フードデリバリー配達員」という仕事から、街中のオンデマンド配送を担う仕事へ少しずつ変わっていく可能性があると思っています。

📝 まとめ|赤字の先にあるのは「縮小」より進化かもしれない

⏭️フードデリバリーは次の段階へ

フードデリバリーは確かに簡単に利益を出せるビジネスではありません。
配達員への報酬を確保しながら、ユーザーには安く提供し、加盟店にもメリットを残す。この3つを同時に成立させるのはかなり難しいでしょう。その結果、Woltやmenuのように市場から退出するサービスも出てきました。

でも一方では、Uber Eatsのように黒字化している企業もあり、Rocket Nowのような新しいプレイヤーも急拡大しています。これから重要になるのは、単純に「料理を何件運んだか」ではなく、一つの配送ネットワークをどれだけ高密度・高頻度で使えるか。

スーパー、コンビニ、ドラッグストア、EC、法人配送まで同じネットワークへ乗ってくれば、フードデリバリー会社は「料理を届ける会社」から「街の即時物流インフラ」へ変わっていきます。
そう考えると、現在の赤字や撤退は業界が終わるサインというより、次のビジネスモデルへ移る途中なのかもしれません。

配達員としても、アプリが何社残るのかだけでなく、これから自分たちは「何を運ぶようになるのか」に注目しておくと面白そうですね。


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